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GPSの仕組みと各国が打ち上げを急ぐ理由・利用目的について

約6分
GPSの仕組みと各国が打ち上げを急ぐ理由・利用目的について

GPSとは衛星測位システムというのはご存知かと思います。

日本では「みちびき」を打ち上げて、これからも打ち上げ予定が控えていますよね。

なぜ日本は同盟国のアメリカに頼らず自国での打ち上げに積極的なのか?

高精度測位を実現した衛星「みちびき」の精度向上で自動運転や農業の効率化、ゲーム分野の新たな可能性も広がります。

今回の記事ではGPSの仕組みや各国が積極的に打ち上げる理由・利用目的について解説致します。

GPSを理解しよう

GPSはアメリカが開発運用するシステムになります。

ロシア、インド、中国、欧州が運用するものは別名の衛星システムとなっております。

もちろん日本も独自で衛星を開発しておりますが、実はそれはアメリカのGPSの電波精度を上げる為の補完するシステムで、フル機能が搭載されているGPSではありません。

あくまで、日本上空を軌道させる事で精度の誤差を補正する為で、根幹はアメリカのGPSシステムを利用しています。

GPS開発の歴史

こういった最新技術は軍事運用から開発される事が多く、GPSも同様です。

第一次世界大戦の際に爆弾投下は、天候・風向き・気温などを考慮した勘で投下するものでした。

もちろん熟練の技術と言えど誤爆はつきものですし、実は成功率が低く大量投下によって強引に成功率を上げていました。

そこで開発されたのが可視光線・赤外線カメラで操縦しながら誘導する「TV誘導」が開発されました。

そして、目標にレーザーを照射して自動的にそのレーザーを追尾して飛行する「レーザー誘導」も開発しました。

当時では、それが非常に驚異的になりました。

1960年代のベトナム戦争が始まり、南北のベトナムを繋ぐ戦略上とっても重要な「ハムロン橋」の破壊を試みます

ハムロン橋

しかし、ベトナム軍はハムロン橋を対空砲・対空ミサイル等で厳重に守って、4年以上もアメリカ軍はハムロン橋を破壊できずにいました。

破壊されたハムロン橋

そこでアメリカは、最新兵器「レーザー誘導」等の誘導爆弾でとうとうハムロン橋を破壊します。

これらの誘導方式の攻撃が高精度な事を証明したと同時に、こういった戦いで発生する弱点も問題となりました。

それは、人間が誘導しないとダメという点で、誘導できる距離が限られており操縦士が近くにいる必要があるのです。

そこでアメリカは、完全自動型の精密誘導兵器の開発を計画します。

そう、これが「GPS」となります。

GPSの民間利用開放

GPSの仕組み

GPSは、遥か上空に打ち上げた30個以上の衛星から電波を受信し、受信機の位置を正確に測定するシステムです。

米国が1973年に発案し1978年に最初のロケット打ち上げを実施しました。

これにより精密誘導兵器の精度が大幅に変化します。

ミサイルや爆弾に目標地点の座標をセットし発射するだけで、完全に自動で目標に着弾するようになりました。

誤差は5メートル以内と言われており、ソフトウェアの改善や周波数の変更によって誤差30cmという恐ろしい程の精度向上に到達しました。

当初は軍事目的で開発されたGPSですが、民間利用をすると莫大な経済効果があると見込み1995年には民間利用が解放されました。

ただし、これを軍事利用と同等の精度にしてしまうと、敵国に軍事機密をそのまま使用される為、C/Aコードを変更する事であえて誤差が発生するようにしました。

この誤差の精度は、約100メートル程になりました。

GPSの仕組み

GPSの仕組み

GPSは30機以上の人工衛星が宇宙を飛行しており、それらの衛星が発信するGPS信号を受信機で拾うことで位置を特定するシステムです。

少ない人工衛星では位置情報の計算に誤差が生まれやすい為、少なくとも8機以上の衛星で信号を受信するのが望ましいとされています。

しかし、実は地下などの密閉されている場所では基本的に使えません。

「自分のスマホは地下や屋内でも現在地がわかるよ」と思いますが、それは「A-GPS」という仕組みで近くの基地局との通信でおおよその位置を絞り込んで、その基地局からの位置情報をヒントに特定しています。

他に空の見通しが悪いようなところでは、GPS精度が落ちる事もあります。

これは、信号を受信出来る人工衛星が少なくなってしまうからです。

山岳地帯や高層ビルが多い日本では真上からの電波は拾うのですが、横からの電波が受信しにくい事が多々あるので、こういった現在地に誤差が出るのです。

逆に高い場所だと精度が上がるのもこうした理由からです。

各国のGPS独自開発の原因

1999年にインドで紛争が起きた際にGPSを事実上遮断した事により、アメリカが気分次第でGPSの利用をコントロール出来るという点が問題になりました。

そこから各国が衛星測位システムを独自に開発していきました。

衛星開発を進める国は「中国」「ロシア」「EU」「インド」そして「日本」です。

上記の国を挙げられると、あまりアメリカと仲が良くない国が目立ちますが、そこにアメリカと関係が深い日本がなぜ衛星を打ち上げるのか?

そちらも詳しく説明させて頂きます。

日本が衛星を打ち上げる理由

GPS電波を補正

最近では「みちびき」が打ち上げ成功し話題となりましたが、なぜアメリカの人工衛星とは別に日本独自で衛星を打ち上げるのか?それは、日本特有の地理環境にあります。

GPSの電波は透過力に弱いという欠点があり、地下や屋内などの障害物があると機能しません。

上記のGPSの仕組みでも伝えましたが、高精度な位置特定には8機以上の電波を受信して3次元で位置を特定する必要があります

GPSの電波は地球の回転や軌道の関係上、真上だけでなく横からも電波を受信します。

日本の地形は山が多く、また高層ビルが立ち並んでいるのでアメリカの衛星だけではGPS電波が受信しにくい環境です。

今回打ち上げられた「みちびき」は日本の上空を8の字に飛んで滞在します。

こうした衛星を増やす事で日本や近海、周辺国の位置情報をより高精度に特定する事が目的になります。

GPSのまとめ

現在、アメリカのGPSを利用しそれを補正して高精細にする衛星を打ち上げているのは「日本」「インド」です。

一方「中国」「ロシア」「EU」では、アメリカのGPSに対抗する独自の衛星を打ち上げており、それを既に運用をしております。

米国が運用するGPSだからこそ、日本の都合に合わせた高精度な位置特定が出来なかった事により「みちびき」によってこの問題を解消し、より安定したサービスも普及する事になるでしょう。

カーナビだけではなく、自動運転や道路交通法の違反システムが変わったり、ゲーム分野でARの世界が広がったり、生活面でも関わってくる事が楽しみですね。

この記事を書いた人

CHIKARA
日本の40年周期説はご存知ですか?

【1865年】幕末の志士
日本は外国の植民地になる瀬戸際でした。
しかし、志士たちが草莽のごとく現れて日本を立て直してくれました。

【1905年】日露戦争
日本の20倍もある国力の強国に辛勝し、日本も強国の1つとなりました。

【1945年】第二次世界大戦
日本は敗戦し、また幕末のような志士が現れるのを待つことになります。

【1985年】バブルピーク
高度経済成長でバブルの頂点を迎え、日本はどん底から這い出ました。

【現在】
バブル崩壊から長らく、日本は下り坂を転がる一方です。
しかし、世界の第一線で戦う企業の志士達が今もなお活躍してくれています。

前置きが長くなりましたが、日本人の技術やアイデアで、次の40年後も明るい日本を子供たちに見せてあげたいと思うじじいでした。
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